2007年11月09日

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『UNCLE JOHN'S FANCIFUL STORY Vol.1』

2007/11/09   ザ・テーラード 

一昨日のブログでお知らせしました「ザ・テーラード」。

それを今日からは、あるひとつの物語とともに紹介していきたいと思います。



      その名も【 UNCLE JOHN'S FANCIFUL STORY 】。



物語は、ある男の店へ一通の手紙が舞い込んだところから始まります。

その手紙の内容は? 送り主は? 
さぁ、物語の始まりです。



bj71109.gif



            【 VOL.1 /プロローグ】




 海と山に囲まれた小さな町に一軒の仕立て屋がある。たっぷりとたくわえた髭の手入れを毎日怠ることのないその店の主人は、頑固で実直を絵に描いたような男だったが、いつしか町の人からは敬意を持って “アンクル・ジョン” と呼ばれるようになっていた。



bj711093.jpg



 実はこの男、“アンクル・ジョン” と呼ばれるようになったのはこれが初めてではない。その昔はアメリカ中西部の田舎町で農場を経営していたこともあった。経営というほど大層な広さではない。ここでも畑の真ん中にある小高い丘の上に小屋を建てて毎年の収穫のために日々汗をかいていただけだった。その時にも誰からともなく親しみを込めて、“アンクル・ジョン” と呼ばれていた。男はいつしか自分の歳を数えるのも、振り返るのもやめてしまった。いったい何が契機になったのか・・・。

その農場の一切を息子達に任せてひとり、この小さな町にふらりとやって来たのだった。男が多くを語らないこともあって本当のところは誰も知らない。しかし、もともと手先が器用だったと言われるアンクル・ジョン。仕立て屋として認められるようになるにはそう時間がかからなかったのである。



 紳士服だけにこだわらず仕立てられるものだったら何でもつくっていたアンクル・ジョンだったが、今回突然舞い込んだ注文にはさすがに困惑した。それは “ジーンズを仕立てて欲しい” という手紙でのめずらしい依頼だったからである。手紙だけに注文が細かい。まず、厳選されたデニム生地を使うこと。ディテールはシンプルかつ高級感のあること。そしてそのジーンズは3種類の細みの美しくモダンなシルエットを持ち、履く靴の違いによるスソの見え方にも最善の注意を払うように、との内容だった。



 これまでどんなに忙しくとも、どんなに困難な注文であっても何ひとつ断ることなく、誠実に仕立て続けてきたアンクル・ジョン。普段は滅多に扱うことのないデニム生地だったが、依頼主の注文に忠実に応えるために。そして依頼主の顔が確実に満足する顔へと変わるように・・・。その作業はいつものように生地選びから静かに始まったのだった。( VOL.2へと続く )





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